日本に二人目の女性天皇が生まれた、激動の飛鳥時代。
里中満智子さんの『天上の虹』は、その中心に立った持統天皇(鸕野讃良皇女)の生涯を描いた、まんが古代史の金字塔です。
三十二年もの歳月をかけて完結した全二十三巻の大作を、はじめての方にも分かりやすく紹介します。
『天上の虹』とは——飛鳥を生き抜いた女帝の物語
まずは基本情報からです。
一言でいえば「国の形が生まれる時代を、一人の女性の目から描いた歴史まんが」です。
- 作者:里中満智子(少女まんがの第一人者・古代史まんがの名手)
- 巻数:全二十三巻で完結(講談社・文庫版もあり)
- 出版:講談社
- 時代:飛鳥時代(七世紀)
- 主人公:持統天皇(鸕野讃良皇女)
主人公は、天智天皇(中大兄皇子)の娘であり、天武天皇(大海人皇子)の妻となった女性です。
父と夫、二人の天皇の志を受け継ぎ、自らも天皇として国づくりを担いました。
あらすじ(ネタバレ配慮)
物語は、大化の改新によって時代が大きく動き出したころの飛鳥から始まります。
紹介は物語の入り口までにとどめます。
幼い鸕野讃良は、父・中大兄皇子のもとで、皇族として育ちます。
やがて叔父であり夫となる大海人皇子と結ばれ、政の中心へと近づいていきます。
父の死後、皇位をめぐって国を二分する大きな争いが起こります。
夫とともにその荒波をくぐり抜けた彼女は、自らの手で時代を前へ進める決意を固めていきます。
読みどころ
「政治」と「愛」の両方を生きた女性像
権力の中枢に身を置きながら、妻として母として揺れ動く心も丁寧に描かれます。
政と私情のあいだで悩む姿が、とても人間らしいのです。
飛鳥時代という「国の始まり」が分かる
律令や都の整備など、いまの日本につながる仕組みが形づくられた時代です。
その大きな流れを、人物の物語として自然に学べます。
額田王や名だたる皇子たち、群像の豊かさ
歌人・額田王をはじめ、魅力的な人物が次々と登場します。
万葉の歌が物語に織り込まれ、時代の空気を運んできます。
現代の私たちへ——この作品が「効く」場面
これは遠い飛鳥の話で終わりません。
立場に悩みながら役割を果たす、今の私たちにこそ静かに効いてきます。
重い役割を任された人へ
逃げ出したくなる責任を、それでも引き受ける。
持統天皇の覚悟は、立場に押しつぶされそうな人の背中をそっと押してくれます。
受け継いだ仕事を前に進めたい人へ
父や夫が残した志を、自分の手で形にしていく姿は、引き継いだバトンに向き合うすべての人に重なります。
歴史を「人の物語」として味わいたい人へ
年号や制度の暗記ではなく、そこを生きた人の感情から時代を知りたい。
そんな読み方にぴったりの作品です。
こんな人におすすめ
- 飛鳥・奈良時代を物語として深く知りたい人
- 歴史の中心にいた女性の生き方に関心がある人
- 万葉集や古代の和歌が好きな人
- 骨太な大河まんがをじっくり読みたい人
『天上の虹』をお得に読む・揃える方法
結論、全二十三巻と長い作品なので、まずは試し読みや電子版から入るのがおすすめです。
2026年6月時点の入手方法を整理しました。
続きが気になる作品なので、読み放題サービスとも相性が良いです。
気に入ったら紙で揃えるのも一つの楽しみ方です。
よくある質問
全部で何巻ありますか?
全二十三巻で完結しています。文庫版もあり、最後まで安心して読めます。
古代史にくわしくないと難しいですか?
大丈夫です。主人公の成長に沿って進むので、人物の関係や時代の流れが自然に頭に入ります。
女性向けのまんがですか?
少女まんが誌の連載作ですが、政治や合戦も骨太に描かれ、歴史好きなら性別を問わず楽しめます。
🎧 歴史を「聴く」という選択肢
移動中や散歩のおともに、耳で楽しむ歴史作品もおすすめです。どちらも初回30日無料・いつでも解約できます。
まとめ
『天上の虹』は、飛鳥時代の女帝・持統天皇の生涯を描いた、全二十三巻の歴史まんがです。
個人的にいちばん惹かれたのは、重い責任に揺れながらも、自分の手で時代を前へ進めた静かな強さでした。
国の始まりの時代を「一人の女性の物語」として味わえる、読みごたえのある一作です。
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