宝戒寺 歴史さんぽ|北条氏の屋敷跡に建つ萩の寺へ。『逃げ上手の若君』26巻の総額を紙セット・単巻・電子で分解する

歴史さんぽ

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鎌倉駅から小町大路を北へ10分ほど歩くと、白い塀の低い寺に出ます。宝戒寺。秋には萩が咲くことで知られ「萩の寺」とも呼ばれますが、私がここへ行ったのは花のためではありませんでした。この寺が建っている場所は、もともと北条氏の屋敷だったと知ったからです。

宝戒寺の境内に立つ石碑と、積み上げられた石塔・小さな石仏
境内の一角。石碑のそばに石塔と石仏が積まれ、手入れの跡が残っています

鎌倉幕府を150年動かした一族の屋敷跡が、その一族を弔う寺になっている。しかも建てさせたのは、彼らを滅ぼした側だと伝わります。この記事は、その場所を歩いた記録と、ここで起きたことを描いた『逃げ上手の若君』を26巻そろえるといくらかかるのかを、紙セット・紙単巻・電子の3通りで分解した結果です。

宝戒寺は「北条執権邸の跡地」に建っている

北条執権邸旧跡碑。石碑が立つ
門前に立つ「北条執権邸旧跡」の碑。ここが政治の中心でした

門の脇に、そっけない石碑が立っています。「北条執権邸旧跡」。鎌倉時代、将軍ではなく執権である北条氏が実権を握っていたその屋敷が、この一帯にありました。義時から高時まで、ここで幕府の決定が下されていたことになります。

寺伝によれば、宝戒寺は後醍醐天皇が足利尊氏に命じ、滅んだ北条一族の菩提を弔うために建てさせたとされます(※創建の経緯には諸説あります)。勝った側が、負けた側の屋敷跡に、負けた側を弔う寺を建てる——鎌倉のほかの寺とは、立っている理由がまるで違います。

1333年、東勝寺で終わったもの

徳崇大権現堂。木立のなかの小さな堂と鳥居
徳崇大権現堂。北条高時を祀ると伝わります

境内の奥に、徳崇大権現堂という小さな堂があります。記録によれば、最後の得宗・北条高時を祀るものです。高時は1333年、新田義貞に攻められて東勝寺へ退き、そこで一族とともに自害したと伝わります。東勝寺跡は宝戒寺から東へ徒歩5分ほど、いまは草の生えた平場と碑があるだけの場所です。

私はその両方を続けて歩いて、順番を間違えたと思いました。先に東勝寺跡へ行き、あとから宝戒寺に来るほうがいい。終わった場所を見てから、その人たちを弔うために建った寺に入ると、静けさの意味が変わります。

歩く前に読むなら『逃げ上手の若君』

この滅亡から、ひとりだけ逃げ延びた子どもがいます。高時の子・北条時行。松井優征『逃げ上手の若君』は、その少年が「逃げる」才能だけを武器に、信濃から鎌倉奪還を狙う物語です。※作中の人物像や経緯には創作が含まれます。

現地との相性がいいのは、この漫画が鎌倉の地形をよく使うからです。切通し、谷戸、海。宝戒寺から東勝寺跡へ向かう道の狭さを知っていると、逃げる側と追う側の距離感が一気に具体的になります。作品そのものの紹介は『逃げ上手の若君』は既刊何巻?あらすじと読みどころにまとめています。

【料金分解】26巻をそろえる総額を、3通りで比べる

既刊は26巻(27巻は2026年10月2日発売予定)。「全部そろえたい」と思ったときに、どの買い方がいくらになるのかを実測しました。2026年9月26日時点の実測値です。

そろえ方実測価格1冊あたり向いている人
紙の1-26巻セット(新品)14,600円約562円一気に本棚へ置きたい
紙の単巻で買い足す1巻 484円/26巻 572円484〜572円続くか試してから決めたい
電子の単巻で買い足す1巻 484円/26巻 572円484〜572円置き場所を増やしたくない

おもしろいのは、紙と電子で単巻の値段が同じだったことです(1巻484円・26巻572円をそれぞれ実測)。つまりこの作品では「電子のほうが安いから電子」という選び方が成立しません。決め手になるのは値段ではなく、セットでまとめるかどうかのほうでした。

セットは1冊あたり約562円。単巻を後半巻(572円)で買い足していくより少しだけ得ですが、差は大きくありません。⇒ 「続くかどうか分からない人は1巻から、続くと決めている人はセットから」で足ります。なお1巻は期間限定で無料配信されていることがあります(実測時点。対象は入れ替わるのでリンク先でご確認ください)。

まず1巻だけ試す(紙・電子とも484円/実測)
▶ 1巻を電子で読む(484円)
▶ 1巻を紙で買う(484円)

26巻まとめてそろえる(紙セット・14,600円/実測時点で残り18点)
▶ 1-26巻セット(新品)を見る
▶ 最新26巻だけ買う(572円)
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歩き方メモ

  • 順路:鎌倉駅 →(徒歩10分)東勝寺跡 →(徒歩5分)宝戒寺、の順がおすすめです。
  • 萩:9月中旬〜10月上旬が見ごろとされます。花の時期は参拝者が増えます。
  • 拝観:拝観時間・志納金は公式の案内をご確認ください。
  • あわせて:建長寺・円覚寺は北条氏が「建てた側」の寺。滅びの跡地と同じ日に回すと落差がよく分かります。

26巻は重い、という方へ。定額サービスの初回無料枠から読書の習慣を作る手もあります(対象作品は入れ替わるので、その都度ご確認ください)。
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現代の私たちへ

宝戒寺で不思議なのは、弔われているのが「負けて、しかも評判のよくなかった人たち」だということです。北条高時は長く暗君として語られてきました。それでも屋敷跡には寺が建ち、堂が祀られ、700年後の私が手を合わせている。評価と記憶は別物なのだと思います。うまくいかなかった時期のことを、自分で弔っておくのは悪くない——そんなことを、萩の前で考えていました。

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