藤崎竜『封神演義』全23巻はいくらで読める?|電子・文庫版・完全版の総額を分解【2026年版】

藤崎竜『封神演義』全23巻の総額を分解した記事のアイキャッチ 漫画

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神話と歴史がまざりあう中国の古典を、少年漫画の文法で描き直したのが藤崎竜さんの『封神演義』です。全23巻という長さそのものより、どの版で読むかで支払う総額が2倍以上ちがうのが、この作品のややこしいところ。知らずに買いはじめると、途中で版を乗り換えて二重払いになります。ここでは電子版・文庫版・完全版を「1冊いくら」まで割って並べ、いちばん軽く読み切る順番を出します。

まず1冊だけ試すなら、電子版の第1巻がいちばん軽い入口です。

藤崎竜『封神演義 1』をAmazonで見る(408円)

いま『封神演義』は何種類の版で出ているのか

元になっているのは、明代の中国で読まれた同名の長編小説です。殷の紂王と妲己、それを倒そうとする太公望——という骨格はそのままに、藤崎竜さんは1996年から2000年にかけて少年誌で連載しました。単行本は全23巻。そのあと版が増えて、いま新品で手に入るのは大きく4種類あります。

ひとつめが電子版で、単行本と同じ全23巻。ふたつめが同じ内容を色つきにしたカラー版(電子のみ)。三つめが12冊にまとめ直した集英社文庫のコミック版。四つめが判型を大きくした完全版 全18巻です。中身の話はどれも同じなのに、支払う金額だけが別物になります。

紙の単行本(全23巻)は現在、新品での流通がほとんどありません。「安く全巻そろえたい」という目的なら、実質は電子版・文庫版・完全版の三択だと考えて構いません。

1冊あたりに割ると、版ごとの差がはっきり出る

総額だけを見ると数字が大きすぎて比べにくいので、「1冊あたり」と「全部そろえたときの合計」を並べます。

版巻数1冊あたり全巻の合計
電子版 最安23巻408円9,384円
集英社文庫のコミック版12巻803円9,636円
カラー版(電子)23巻518円11,914円
完全版(セット販売)18巻約1,069円19,237円

※2026年8月時点の税込価格をもとにした概算です。実際の価格は変わることがあります。

いちばん高い完全版と、いちばん安い電子版で差は9,853円。同じ話を読むだけで1万円ぶん動くわけです。まとめ買いのセットは文庫版 全12巻セット(9,886円)と完全版 コミックセットをAmazonで見るで、どちらも「あとから買い足す手間を金額で買う」形になっています。

ちなみに1冊だけ買うなら、文庫版の第1巻(803円)とカラー版の第1巻(518円)と電子版の408円が、そのまま入口の値段です。

安く読み切る順番は「電子で1巻、合わなければ止める」

私はこの作品を、まず電子版の第1巻だけ買って読みました。408円です。太公望が出てくる導入は、正直に言うとギャグの比率が高く、「中国の歴史ものを読むつもりだったのに」と一度画面を閉じています。それでも数日後に2巻を開いたのは、絵の情報量が明らかに多かったからでした。

結果として言えるのは、この作品は最初の3巻で好き嫌いがはっきり割れるということです。だから最初にセットを買うのは、金額としてはいちばん危ない。順番としては次の3段が安全です。

①電子版の第1巻を408円で読む → ②3巻まで進んで手が止まらないか確かめる → ③続けると決めた時点で、電子でそのまま揃えるか、棚に並べたいなら文庫版へ移る。①②で降りた場合の損失は1,224円で済みます。

逆に、最初から「絶対に読み切る」と決まっている人だけがセットを買えばいい。電子版の第23巻(完結巻・408円)まで同じ408円なので、電子でそろえる場合の総額は最後まで読めてしまいます。

文庫版と完全版は、何にお金を払っているのか

1冊803円の文庫版は、23巻ぶんの話が12冊に入ります。棚の幅が半分になり、持ち歩けるのが実利です。総額は9,636円で電子版とほぼ同じなので、「紙で読みたいが場所は取りたくない」人には素直な選択肢になります。

19,237円の完全版が高いのは、判型が大きく紙が良いからです。見開きで妖怪や宝貝が暴れる場面は、確かにこの大きさで見ると別物に見えます。ただしこれは「一度読んだあと、何度も開き直す人」の値段です。初読の人が最初に払う金額ではありません。

楽天ブックスで買う場合の入口も同じで、封神演義(1)文庫版を楽天ブックスで見る(803円)から始めて、封神演義(12)文庫版・完結巻を楽天ブックスで見るまで12冊です。紙で集めるなら、こちらのほうがポイントぶん得になることもあります。

原作の小説も、1冊880円で読める

藤崎竜さんの『封神演義』は、原作の小説をかなり大胆に組み替えています。妲己の描き方も、太公望の位置づけも別物です。もとの話がどうだったのかを知りたくなったら、安能務 訳『封神演義(上)』講談社文庫(880円)が入口になります。上中下の3冊で、合計は2,700円ほど。漫画を読み終えたあとに開くと、同じ人物がまったく違う顔をしていて驚きます。

もうひとつ、連載終了から18年後に描かれた『封神演義外伝〜仙界導書〜』(941円)があります。本編を読み切った人だけが得をする1冊なので、これは最後に回して構いません。

中国を舞台にした長編をほかにも探すなら、中国の歴史を漫画で学ぶ完全ガイドに時代順で並べています。三国志の側から入りたい人は王欣太『蒼天航路』の記事や横山光輝『三国志』全60巻の読み方、諏訪緑『諸葛孔明 時の地平線』も同じ棚の続きです。

現代の私たちへ

太公望がやっているのは、力で押し切ることではなく「誰をどこに置くか」を決め続けることです。自分より強い相手を集め、勝てない場面ではあっさり退き、必要なら味方に嫌われる決定も下す。読み進めるほど、これは戦いの話というより段取りの話だと分かってきます。人を動かす立場に立ったことがある人ほど、彼の飄々とした態度の裏側が重く見えるはずです。

初回無料の枠を先に使うと、実質の出費はさらに下がる

版を決める前に、無料で試せる枠を先に消化しておくと総額が変わります。読み放題やレンタルは対象作品が入れ替わるので、いま対象に入っているかを見てから買う版を決めるのが順番として正しいです。

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読み放題とレンタルをどう組み合わせると安くなるかは、読み放題とレンタルの併用術にまとめてあります。長編を何本も抱えている人は、長編を全巻そろえるといくらかの一覧もあわせてどうぞ。

どの版を選ぶかは、読み切る速さで決まる

結論として、まだ読んだことがない人は電子版の第1巻408円。3巻まで進めたら、そのまま電子で9,384円か、紙で残したいなら文庫版9,636円。完全版19,237円は、すでに一度読み切って「あの見開きを大きく見たい」と思った人の買い物です。

私がいちばん失敗だと思うのは、いきなり完全版を買って3巻で止まることです。1万9千円は、合わなかったときに諦めがつく金額ではありません。408円で確かめてから決めれば、この作品はどの版を選んでも損になりません。

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