長い歴史まんがや歴史小説を前にして、いちばん最初に手が止まるのは「全部でいくらかかるのか」だと思います。七十九巻、六十巻、二十六巻。数字だけ見ると、どれも気軽に始められる気がしません。
ただ、実際に値段を並べてみると印象はかなり変わります。全巻セットの金額と、最初の一冊の金額の差が、作品によって百倍以上ひらくからです。この記事では、当サイトで紹介してきた長編を横に並べて、総額と入口の値段を実際の表示価格で比べます。価格はすべて2026年8月21日時点のものです。
迷ったら、いちばん短い完結作から。全4巻で終わる『国盗り物語』は、長編の読み方を試すのにちょうどよい分量です。セットでも五千円を切ります。
全巻の総額と、最初の一冊の値段
まず結論から並べます。左が全巻をそろえた場合、右が一冊目だけを買った場合の目安です。
『キングダム』既刊79巻|全巻セット 52,000円 / 第1巻 680円
『三国志』全60巻|全60巻箱入 20,143円 / 第1巻 630円
『徳川家康』全26巻|文庫全26巻セット 21,426円
『子連れ狼』全28巻|第1巻 436円 / 合本版1 11円
『宮本武蔵』全8巻|全8巻セット 5,896円 / 全8巻合本完全版 99円
『ベルサイユのばら』全5巻|文庫全5巻セット 4,290円 / 第1巻 396円
『国盗り物語』全4巻|全4巻完結セット 4,784円 / 第一巻 970円
ここで目を引くのは、『宮本武蔵』の全8巻合本完全版が99円、『子連れ狼』の合本版が11円という並びです。紙で全巻をそろえると数千円から数万円になる作品でも、電子の合本には桁の違う値付けがされていることがあります。
なぜ同じ作品でこれほど差がつくのか
理由は大きく三つあります。
一つめ|完結しているかどうか
完結済みの作品は、全巻セットという商品が最初から用意されています。一方で連載中の作品は「既刊まで」のセットになるため、買ったあとも巻が増え続けます。『キングダム』の五万円台という金額は、七十九巻ぶんを一度に買った場合の数字です。追いかける前提なら、一冊目から順に積み上げていくほうが実際の負担は軽くなります。
二つめ|紙か電子か
紙は物として残りますが、そのぶん在庫と輸送の費用がのります。電子は合本という形をとれるので、巻数の多い旧作ほど電子のほうが極端に安くなりやすい傾向があります。『宮本武蔵』や『子連れ狼』がその典型です。
三つめ|版が複数あるかどうか
古い名作ほど、単行本・文庫版・愛蔵版・合本版と版が分かれています。同じ物語でも版によって巻数が変わるため、「全何巻」という言い方だけでは値段が決まりません。『三国志』は希望コミックス版で全60巻、文庫版では全30巻です。
巻数別|どこから手をつけるか
全4巻から8巻|まず一作、通しで読み切る
長編を読む体力がまだ分からないなら、この帯から入るのが確実です。『国盗り物語』は全4巻、『ベルサイユのばら』は文庫で全5巻、『宮本武蔵』は全8巻。どれも週末二回ぶんくらいで読み切れます。
全26巻から28巻|腰を据えて一年つきあう
『徳川家康』と『子連れ狼』はこの帯です。どちらも一冊ずつ話が区切れているので、毎日少しずつ読んでも筋を見失いません。私はこの帯の作品を、通勤の行き帰りだけで読むと決めて進めました。それでも三か月ほどで終わります。
全60巻から79巻|先に一冊目で相性を測る
『三国志』と『キングダム』はここです。この帯だけは、いきなりセットを買わないほうがいいと思います。絵柄と語り口の相性がはっきり出る作品なので、六百円台の一冊目で確かめてから決めても遅くありません。
現代の私たちへ|長編を「全部そろえてから読む」のは、実はいちばん高くつく買い方です。読み切れるかどうかは、最初の一冊を読んでみないと分かりません。数百円で確かめられるものを、数万円かけて先に確定させてしまうのはもったいない話です。これは本に限らず、道具でも仕事でも同じことが言えます。先に全部そろえたくなったときほど、いちばん小さい単位で一度試す。長い物語は、その練習にちょうどよい相手です。
セットで買うなら
読むと決めたあとは、セットのほうが一冊あたりは安くなります。以下は商品ページへの直リンクです。
また、旧作の長編は読み放題や聴き放題の対象に入っていることがあります。対象は時期によって入れ替わるので、買う前に一度のぞいてみてください。
それぞれの作品を詳しく
この記事は総額の比較だけをまとめたものです。中身がどんな話なのかは、作品ごとの記事に書いています。



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