長谷川哲也さんの『ナポレオン』を読み始めたとき、私が最初にぶつかったのは物語ではなく、電卓でした。第1部『獅子の時代』を読み終えて続きを探したら、第2部『覇道進撃』がまだ続いている。合わせて何巻あって、全部そろえるといくらになるのか。ここが分からないままだと、面白いと分かっていても手が止まります。この記事では、私が実際に計算し直した「何に、いくらかかるのか」を巻数ごとに分解し、出費を抑えて読み切る順番までまとめます。
先に結論:迷ったら1巻だけ買ってください。この作品は1巻の時点で好き嫌いがはっきり出るタイプです。42巻ぶんの予算を組む前に、まず495円で判定してしまうのがいちばん安上がりでした。
Amazonで『ナポレオン ―獅子の時代―』第1巻(Kindle)を見る楽天ブックスで『ナポレオン(1)獅子の時代』を見るまず全体像。『ナポレオン』は2部構成で、合計42巻です
混乱しやすいのは、この作品がタイトルの違う2部に分かれている点です。第1部が『ナポレオン ―獅子の時代―』で全15巻・完結済み。第2部が『ナポレオン ~覇道進撃~』で、2026年8月時点の最新刊は第27巻、こちらは連載が続いています。つまり今から追いかける場合、すでに刊行されているのは合計42巻ということになります。
第1部はコルシカの砲兵士官からイタリア遠征、エジプト遠征を経て統領政府までを描き、第2部は皇帝即位以降に入ります。歴史の教科書でいえば、第1部が「ナポレオンが誰なのか」を説明する部分、第2部が「ヨーロッパ全体が巻き込まれていく」部分です。買う順番を考えるうえでは、この境目が予算の区切りにもなります。
何に、いくらかかるのか。内訳を分解します
以下の価格は2026年8月10日時点でAmazonに表示されていたものです。電子書籍は改定やセールで動くので、金額そのものより「どこにお金が偏るか」という構造のほうを見てください。
① Kindleで単巻をそろえる場合
単巻価格は巻によって差があり、初期巻が495円前後、後半や近刊が550〜759円という並びでした。仮に全体を1巻あたり600円前後として計算すると、42巻で2万5千円前後になります。ここで見落としやすいのが、負担が第2部に大きく寄るという点です。第1部15巻はおよそ8千円前後で読み切れますが、第2部27巻は刊行が進むほど新しい巻の単価が上がっていて、金額の3分の2近くが第2部側に乗ります。
裏を返すと、第1部だけなら1万円を切ります。「全部そろえるといくら」で判断すると高く見えますが、実際に最初に払う額は8千円台です。
Amazonで『ナポレオン ~覇道進撃~』第1巻(Kindle)を見る② 紙の全巻セットでまとめて買う場合
第1部は全15巻セットが9,988円で出ています。1巻あたり約666円なので、単巻をKindleで買うより割高に見えます。それでも紙を選ぶ理由があるとすれば、この作品が見開きの構図で読ませる描き方をしているからです。会戦の場面はページをまたいで人の数を見せるので、紙のほうが情報量を受け取りやすい。ただし15巻ぶんの置き場所は必要ですし、第2部の27巻を同じ調子で足すと本棚が一段埋まります。
私は第1部を紙、第2部をKindleという分け方に落ち着きました。完結している巻数の決まったものだけ紙にすれば、増え続ける不安がありません。
Amazonで『ナポレオン 獅子の時代』コミック全15巻セットを見る③ ゼロ円から始める場合
いきなり数万円を見積もる前に、月額の読み放題や耳で聴くサービスの無料体験で「この時代の話が自分に合うか」を先に判定する手もあります。対象作品は時期によって入れ替わりますが、ナポレオン期を扱った歴史小説や関連書は比較的そろっています。合わなければ0円で降りられるので、42巻という数字に怯む必要がなくなります。
出費をいちばん抑えられた読み方の順番
私が結果的にいちばん無駄が少なかった順番は、次の3ステップでした。まず第1部の第1巻だけを買って、絵と語り口が合うかを見ます。ここで合わなければ495円で終わりです。次に合った場合だけ、第1部15巻を一気にそろえます。第1部は完結しているので、途中で止まる心配がありません。第2部に進むのは、第1部を読み終えてからで十分です。第2部は連載中で、待つ時間が必ず発生します。先にまとめ買いすると、読む速度より刊行の速度のほうが遅いことに気づいて手持ち無沙汰になります。
逆に、最初から42巻ぶんの予算を組んで一括で買うのは、いちばん損をしやすい買い方でした。合わなかったときの損失が大きく、合った場合でも第2部は結局待つことになるからです。
Amazonで『ナポレオン ~覇道進撃~』最新第27巻を見る私がいちばん財布を開いたのは、この場面でした
第1部を読んでいて、自分でも意外なほど続きを急いだのはトゥーロン攻囲戦の場面でした。無名の砲兵士官が、地図の上の一点を指して「ここを取れば艦隊は出ていく」と言い切る。実際にナポレオンが早い時期から砲兵としての専門性で頭角を現したことは記録に残っていますが、この作品はそれを英雄的な閃きとしてではなく、他の誰も計算していなかっただけ、という描き方をします。※諸説あり
そこから先は、私は巻数を数えるのをやめました。金額の話をさんざんしておいて何ですが、面白いと思った時点で単価の比較は意味を失います。だからこそ、その判定を安く済ませる設計にしておくことが大事だと思っています。
現代の私たちへ
ナポレオンが最初に評価されたのは、戦場での勇気ではなく「誰も出していなかった数字を出したこと」でした。同じことは、私たちが仕事で何かを通したいときにも起きます。全体の総額だけを見て高いか安いかを言い合っている場に、内訳を分解して持っていくと議論の質が変わる。42巻を2万5千円と言うか、まず495円と言うかで、動き出せるかどうかが決まります。分解は、それ自体がひとつの武器です。
この時代をもっと読みたい方へ
▶ 42巻を安く読み切る契約の組み方は、読み放題 × レンタルの併用術にまとめています。
あわせて読みたい:画風から選ぶ歴史まんが4選|劇画・耽美・緻密・粋



コメント